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手紙・・・小説と映画

本の整理をしていて埋もれていた東野圭吾さんの「手紙」を発見、読み直しました。
東野さんの作品は比較的好きなのでかなり読んでいます。
手紙も新刊で購入、彼の作の中ではかなり重いテーマで感動したと言うよりやり切れない思いの方が強い作品でした。
一寸星守る犬の読後感に似ていたかも。

映画化された事は知っていましたが余りに重いテーマに見に行く気になれませんでした。
見ていれば玉山さんにかなり早く会えていたのにね。
ハゲタカの劉一華に嵌る余り、玉山さんの出演作を全部見たくなりレンタルして見たのが丁度2年前になるでしょうか。
結局メイキングなど見たくて購入して今回映画も又見直しました。

お話はご存知のとおり強盗殺人の罪を犯した兄とその弟の話です。

両親を無くした兄弟、兄は高校を中退、運送会社などで働いて生活を支えていますが、作業で腰を痛め働けなくなってしまう。
成績の良い弟を大学に行かせる事を生き甲斐にして来た兄は思い余って一人暮らしのお年寄りの家に盗みに入ります。

帰って来たお年寄りに見つかって騒がれ揉みあっているうちに、相手を殺してしまいます。
小説では持っていたドライバーが刺さって相手を死なせてしまいますが映画では相手が持ち出した花鋏がたまたま刺さってしまいます。
凶器を持たずに盗みに入った映画の方が何故刑が重いのかここはとても疑問なんですが。
小説では懲役15年、映画は無期です。

服役中の兄と弟の交わす手紙を中心に話が進むのは小説も映画も同じ。

強盗殺人犯の兄の為に進学、恋愛、就職、と差別が付きまとう弟は生まれた娘にまでその差別が及んだ時に家族を守る為に兄に絶縁を申し送るのですが・・・

決定的に違うのは小説では直貴はバンド活動をします。芯になるのは人とはなにか、生きることはなにかという問いかけのジョンレノンの「イマジン」。

映画では直貴は漫才でお笑いを目指します。
絶縁を申し送った兄の服役する刑務所へ慰問に行きそこで手を合わせている兄の姿を見る。
しかし小説では救いが無かったこの最後の場面で、映画では漫才で直貴に「血が繋がっているのだから・・・兄なんだから棄てられない・・・」と言わせています。
兄の出所後の事を考えると甘いかも知れませんが私は映画の結末の方が好きです。

どちらにしても家族の絆とは・・・罪とその償いとは・・・等々考えても結論なんて出ない、重い宿題を出されるような作品でした。

今回映画を見直して玉山さんの出演場面が意外に少ないのに一寸驚きました。もっと多かった印象があったので。
あの最後の場面のせいでしょうか。
名演技として有名なこのシーン。これだけで出番が少ないのに良いところを全部持って行ってしまった、と思います。

俳優として大きな階段を上がった役なのは間違いないでしょうね。
玉山鉄二ではない武島剛志がそこにいる・・・今の玉山さんの原点がこの役なんでしょうか。

この頃のインタビューで「かけもちはしない。不器用で、うまく切り替えできない、あるAっていう役をやっていて今度Bって役をやるときにそのままAからBに移行するんじゃなくて、普段の何気ない生活をして玉山鉄二に戻してからトライする・・」(どしゃぶりセンチメンタルから)

と言っていますが、そうでしょうね、あんなに役に入り込んだらとても別人にはすぐ成れないでしょう。彼が寡作なのが納得出来ます。

だから役を選んでね、お願い!この次の作品が「銀色のシーズン」では少し悲しい。

映画としては注文もあるけれど・・・由美子が綺麗すぎるとか、最後の小田さんの歌とか、でも良い映画ではなかったでしょうか。
主になる3人が皆上手なのも見ごたえのある作品になった一因とも思います。

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映画」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。こちらに書かせていただくのは初めてですね。^^
私も「手紙」は映画が先で、原作を読んだのは最近です。

WOWOWで放送された「手紙」を見て、玉山さんのファンになった
友人が、「玉山くん良かったよ~」って教えてくれてはいたんです。

うんうん、きっとイイ映画には違いないけど、でも重そ・・・って思って、
スルーしちゃってて。^^;

私は結局、「カフ~」「ハゲタカ」の次に、「手紙」を見たのでした。
見ておかなくてはいけない作品なのだと思えて、ディスクを購入して
見ました。

弟の慰問のシーンは素晴らしいのですが、私は慰問のあとで、
他の受刑者と一緒に、並んで歩いて行く時の表情が好きです。

「手紙」が上映された頃に、玉山さんと久々に再会した高校時代の
先生が、すっかり大人になっていたとお話していたそうですよね。^^

役者さんとしても、人間としても、玉山さんを大きく成長させた
作品であることは間違いなさそうです。

映画の「手紙」があったから、それまで読んだことがなかった
東野圭吾さんという作家さんとも出会えました。
通勤途中の地下鉄の中で、東野さんの文庫本を良く読んでいま~す。

菜の花さん、こんばんは。
「手紙」原作が好きだったので映画化がとても心配でした。
でも、本当に映画化してくれてありがとうと言いたい作品です。
希望の見える映画のラストの方が私も好きです。
拝み泣きシーンは誰もが心に残るのではないでしょうか・・・
こんな素晴らしい作品での素晴らしい演技は、本人も自信につながっただろうし、
周りの評価も変わったことと思います。
またこのような作品に出会って欲しいですね。

しゃららさん こんばんは
お越し頂き、そしてコメント有難うございます。
映画は、やはりテーマが重過ぎて見る度にとても疲れます^^
玉山さんは文句なしに素晴らしかった、この作品に出会えて幸せだったし演じきる力があって本当に良かったと思います。
東野さんは多作ですがほとんど「はずれ」が無い、今でも好きな作家のお一人です。
又遊びにいらして下さいませ。

ゆきさん こんばんは
いつもコメント有難うございます。
映画化された時に見に行けば良かった、と何度も後悔しました。
玉山さんを知るのが3年も遅れたのですもの。
この作、この役に出会えて本当に良かったと思いますし、
又このような素晴らしい作品に出会えるように祈っています。

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