会津戊辰戦史
気になっていた「会津戊辰戦史」読みました。
刊行は昭和16年、17年再版。絶版にはなっていないようですが再版されていなくて古書で数万円します。
幸い地元の図書館にあったので借りました。
「京都守護職始末」のように口語訳でなく全部原文のまま。
お勉強から離れてン10年最初は一寸大変でしたが小説と違って記録でしすし時間はかかりましたがまあ何とか終わり迄辿りつきました。
山川浩、健次郎兄弟の著「京都守護職始末」の後を受けて編纂されたもので会津落城迄の会津側の記録です。
はじめに「孝明天皇御宸筆」「同御歌「松平容保の写真等があり、や秋月悌次郎西郷頼母の書と共に山川浩自筆の和歌1首が載っています。
説明は次のとおり。
山川浩(号屠龍子)は政界學界に貢献せし所多大のみならず和歌に長じ遺歌集「さくら山集」あり。
緒言から紹介します。
本書は会津戊辰戦史と題し慶應三年十月大政奉還より筆を執れり、是れ会津藩に關する維新前の事跡は郷人男爵山川浩氏の筆に成る京都守護職始末に詳記せるを以ってなり。
構成は「巻1大政奉還」から「巻十戦後の虙置」そして「巻十一付録」まで741頁の記録です。
外交から各地での戦闘、指揮者の役名と氏名更に戦死者の氏名まで詳細に載せています。
読み物として面白い物ではありませんし敗戦迄が事務的に見える程事実だけが記載されています。
只、山本八重子の名が出て来ません。城中での弾丸の製造に婦人達が笄簪を供出したりパトロンを製造したりした記述はありますが大砲で応戦した記述がありません。
西郷一族の女性達の自刃や中野竹子、神保雪子の最期、更に浩の妻とせ子の最期も記されているのにです。
もしかしたらオリンピックを見ながら読んでいた時に見落としてしまったのかも知れません。
貸し出し期限来て返してしまったので再度借りて来てもう一度読み直してみるつもりです。
「巻十戦後の虙置」に記載されている飯盛山で自刃した白虎隊士の遺体が葬られずに放置され埋葬される迄の経緯が詳しく書かれている事などを思うと会津戦争の死者達への鎮魂の意味もあるのでしょうね。
葬られずにそのままになった遺体の事を思うとなおの事です。
戦いの記録では無いのですが巻十一付録の中の「会津藩の教育」が一番興味深かったかも知れません。
大河ドラマ「八重の桜」で山川浩に玉山さんがキャスティングされた事から山川浩、更に会津藩の事にすっかり嵌まり込んでしまいました。
でも今まで知らなかった明治維新の一面を知った事など良い勉強させて貰いました。
最後に「巻八会津城下の戦」の中、彼岸獅子入城のくだりをあげておきます。
ドラマでここはまさか省かないでしょうね。
格好良く書いて下さいね。
是より先五十里駅に滞陣せし家老山川大蔵は、我が公の命に接し~中略~西追手門より城に入らんとするに當り、城中より敵兵と見誤られんことを慮り一計を案じ、兵士をして太鼓及び横笛を求め彼岸獅子の囃子を吹奏して城中に行進せしむ。城兵之を聞き我が兵なりと察して之を待つ、而して西軍は之を怪しみ敢て迫らず、為に一兵を損せず城中に入る事を得たり、人皆其の機智を称す、~後略。
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