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「尾根のかなたに」前後編

放送されてから半月もたってしまいました。

その間、東京国際映画祭のグリーンカーペットへの登場。上映時の挨拶と中々素敵なお姿だったようで。
その「綱引いちゃった」の公開も近くなりました。初日の舞台挨拶の登壇はあるのでしょうか。
あっても忙しくて行かれないのですけれど・・・

そのような新しい話題の中、今更と思いますが折角3時間頑張って前後編通して見たので一応感想を。
原作はじめ何冊も読んだ事故のドキュメンタリーなどの予備知識を忘れてドラマだけを見ようとしたのですが・・・一寸無理でした。どうしても要らない情報がちらちらして。

ドラマとしては作りにくかった題材だったでしょうね。
27年と一口に言えば長いようですが、現実の中で生きて来られた遺族の方にとってはまだまだ過去になっていない重いものがあるでしょうから。

もう一度おさらいをします。くどいようですがドラマの進行にそって書いてみます。
「父と子の絆」をテーマに取り上げられたのは3家族、
歯科医の父建造が遭難した自らも歯科医の峰岸薫と弟。
父正義が機内で母可奈子に子供達を頼むと遺書を残し亡くなった上杉家の弘樹と弟。
母恭子と妹唯が亡くなり9才の長男光太郎が父秀人と二人残された小倉家。

ドラマは現在。8月12日に慰霊の登山をしている上杉家から始まります。
成人した長男は妻と二人の子を次男は妻と一人の子を、そして兄弟の母を連れた8人で

登山道の傍らに墓標が立ち並んでいますがその中の「小倉恭子・唯」の墓標から小倉家の現在へ、3人の父となった光太郎。
そして城崎で歯科医をしている峰岸薫と紹介されたあと上杉家の墓参りのシーンへ
此処でタイトルが出るのですが中々この導入部は良く出来ていたと思いました。

タイトルのあとは終戦直後の満州での峰岸夫婦からはじまって3家族過去の生活が描かれて行きます。
高校生になった峰岸薫の歯医者にならないと言う反抗期から父の仕事ぶりから自分も歯科医になって行く様子、上杉夫婦のアウトドア志向の父正義との生活など、特に小倉家は父母がいとこ同士、光太郎の祖父が経営する会社に母恭子は経理担当、父秀人は京都支社を任されている事情がかなり手際よく紹介されています。
幸せ一杯の生活は先を知っているだけにとても切ないですね。

そして27年前の8月12日へ。
峰岸建造は歯科医師会に出席の為上京、帰途123便に
上杉正義は長男弘樹とボーイスカウトの大会に出席中上司の急死の葬儀の為上京。
小倉恭子は東京出張のついでに二人の子を連れてディズニーランドへ、長男の光太郎だけ一日早く父秀人の許へ帰って難を免れます。

事故が起こり それぞれの家族の遺体確認の為の現場での様子で前編は終わっています。
中でも事故の知らせに倒れてしまった母に代わって遺体確認に来た13才の上杉弘樹君、実際の事故の中継で二人の大人に抱えられて現場へ向かう映像を覚えていただけに何度見ても涙が・・・
前編は中々良かったです。

後編に入って、歯科医である為に遺族でありながら依頼されて検視をする立場になる薫と弟、父の遺体は靴しか見つからず靴でお葬式を出すのは悲しい場面でした。
かつての自分と同じように歯医者にならない言っていた長男が歯科医になっている薫。

祖父母が光太郎を引き取った為孤独に耐え切れず酒に走った秀人は体を壊して最後は一緒に暮らすものの事故後8年で早死にしてしまいます。
一人になった光太郎は暗い所で眠れず孤立する事を恐れますがしっかりした妻を得て3人の男の子の父になっています。

一番大人になってからの話題が少ない上杉家では弘樹に父の事を語らせています。
「パパはずるい、一番格好良い時に死んじゃって・・・パパのようになれないから結婚もしないし子供も持たない・・」
又、弟の結婚式のあと結婚する気になった事を母に打ち明けるシーン
どちらもせりふだけで成人するまでの気持ちを伝えています。
さすが玉ちゃん、素晴らしかったわ!点が甘いですか?そんなこと無いと思います。

最後は冒頭の上杉一家の慰霊登山のシーンに戻りますが、取材に来ているクルーから「笑わないで下さい」と言われる程明るい一家の様子に再生を果たした意味を持たせたのでしょうか。

上杉一家が御巣鷹の尾根を見上げるシーンでドラマは終わっています。

まあかなり見ごたえがありました。

只、前編程の緊張感が感じられなかったのは父と子の絆として取り上げているepisodeが3家族とも全く同じ状況のrefrainだと言うことです。
峰岸家の場合、反抗的だった長男が歯科医になる事を父に打ち明ける場面がどちらも温泉で父の背中を見ながら。
小倉家は父子揃って散髪をしてそのあと焼肉を食べに。
上杉家は弘樹が家族でキャンプをしているシーンとボーイスカウト活動をしている。
もう少し工夫があっても良かったのではないか、と。
全体にやや冗長に
感じられて惜しかったです。
やはりこの脚本家の方、後半に難ありですねえ。

キャストは皆良かったですが、欲を言えば光太郎のお相手はもう少し可愛く明るい人の方が望ましかったです。貫地谷さんはお上手ですが同級生には見えませんもの。

それから伊勢谷さん、今頃こんな事言ってはなんですが中々の好男子なんですね。
伊勢谷さんを見たのが「十三人の刺客」だけなので無理もないですけれどね^^

以前この事故に関して読んだ本を挙げましたが、調査が進んだりして古い発行年度のものは余り参考にならないと思います。

当時現場で直接遺体収容の責任者だった飯塚訓 さんの著  
墜落遺体  墜落現場~遺された人たち

JALの機長の藤田日出男さんの
隠された証言

ボイスレコーダーのDVDつき、赤旗の記者米田憲司さん
御巣鷹の謎を追う

この4冊がとても勉強になりました。
謎の多い事故原因です、何とか解明できないものかと思いながら読みました。

最後に遭難された509人の乗客の皆様。
ボイスレコーダーの解読が進み最後まで何とか助けようと全力を尽くしたコックピットの3人の方々。
余り触れられる事はありませんが是も最後まで全力で職務を全うした客室乗務員の12人の方々。
皆様のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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コメント

菜の花さん、こんばんは。
尾根のかなたにのドラマ内容が本当に分かりやすくまとめられ、菜の花さんにはいつもながらに感動してしまいます。

このドラマ、玉山さんの出番は少なかったですがやっぱり凄いなぁと思わされました。
菜の花さんが書かれてる場面「パパはずるい」と、結婚する気になった話を母にする場面。表情や話し方、仕草、本当によかったと思います。
特に結婚したい、父親にもなりたいって言う場面で泣くところ。
子役の子がずっと泣かなかった事もあって、弘樹の気持ちが本当によく伝わってきました。ここで泣く事が台本になかったのならば、彼はやはり凄い役者さんだなって思いました。弘樹の成人エピソードがほとんどないため、ここでもし嬉しそうに笑って報告をしていたとしたら、弘樹のこれまでの感情も全く伝わってこなかっただろうし、上杉家のエピソードが薄っぺらくなってしまっただろうなと。
あらためて、やっぱり良い役者さんだなぁ、この人の演技は大好きだなぁと感じたドラマでした。
出番が少なくて物足りないですが(笑)
もっともっとたくさん仕事して欲しいです!

ゆきさん、こんばんは
一寸物足りないところもありましたが、良いドラマだったと思いました。
玉山さにんには素直に感動しました、好きだから点が甘くなるのかなと思いながら・・・
決して大げさじゃない、控えめで自然で・・・でもきちんと表現している・・・
あの場面次第でドラマの出来も決まってしまったのではないかと思う大事な場面でしたが
やはり良い役者さんですよね。
本当にもっともっとお仕事して頂きたいですよね。

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