司馬遼太郎さんと会津&山川大蔵
ドラマの大蔵さんが(演じてる玉山さんも)気の毒でストレスが溜まる一方です。
この作者は容保を書くのに今までの殆どを費やして大蔵だけでなく修理や八重でさえ置き去りにしているように受け取れます。
人間そのものそして人と人とのドラマが書けていないので感動を呼ばない・・・あらすじを見せられているようでほんとに味気ないです。
以前読んだ司馬遼太郎さんの著書を引っ張り出して大蔵さん関係を探して見ました。
司馬さんは浩を公平に評価していたと思ったので一寸発散しようかと^^
司馬さんの著書で会津と言えば容保の一生を書いた「王城の護衛者」が有名で、政治感覚の無いそして愚直な迄のまっすくな気性と書かれています。
孝明帝から賜った御宸翰に感激、帝に忠誠を誓う容保の姿を後醍醐帝における楠木正成、リチャード王とロビンフッドに例えてとても判りやすく説明されていました。
御宸翰がなければ彼の一生は違ったものになっていたかも知れないとも。
いずれにしても権謀術策の渦巻く京都における容保の政治感覚の無さが会津の悲劇につながったんですね。
この書の中で山川大蔵は家老として登場しています。
西郷頼母、萱野権兵衛と並べて学識、胆略の点で諸藩に迄知られた人物となっています。
ドラマとは違い過ぎて泣くに泣けないわ。
それと西郷隆盛主人公の「翔ぶがごとく」
単行本全七巻の第六巻から山川浩が佐川官兵衛とともに登場します。
かつて戊辰戦争の時日光口で対戦し浩の才能に感服して官界へ招いた土佐の谷干城とのいきさつなどから西南戦争での戦いぶりなど。
司馬さんの作ではエッセイの「街道が行く」に会津が何章か出ています。
三十三巻の奥州白河・会津の道
中でも「東西戦争」は戊辰戦争のいきさつがとても判りやすく書かれています。
そのほかでは「会津藩」「幕末の会津藩」「容保記」など。
「会津藩」の中に京都守護職始末の著者として山川浩が出て来ます。
「京都守護職時時代容保に命ぜられて常に側近に侍しこの間の事を身を持って知る立場にいた人」
「激動期の当事者の一人が後年冷静な態度で史録を書いたと言う例は多くない。会津は一人の山川浩を持った事がせめてもの幸いだった」
「その晩年旧藩のことを雪辱すべくこの史録を書いた」
「堂々たる修史事業・・・」等。
弟健次郎の協力で出来た事から健次郎の事など。
もう一巻四十一巻北のまほろば
「移って来た会津藩」「会津が来た話」「斗南の人々」
この中でも斗南の藩政を担当した三人として浩の名があります。
広沢安任、永岡久茂そして浩
「廃藩置県後、官に招かれ最後には陸軍少将、貴族院議員になった。
官途についたのは私利の為でなく斗南の孤立を防ぐ為で当時の斗南人もよく理解していた」等
ドラマ八重の桜の大蔵さんについては西南戦争から晩年会津の汚名を雪ぐ為京都守護職始末を世に出そうとした所迄見たいと思っていましたが、今までのような書かれ方をするならもう会津落城迄で良いです。
実在の大蔵さんに悪いしなにより一所懸命やっている玉山さんは気の毒でもう見たくないです。
ドラマとしては・・後半京都へ舞台が移ってからは歴史から距離をおけるし作者の守備範囲の市井のお話が多くなると思うので面白くなるかもしれないですけれどね。
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