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雨が降ると君は優しい 見終わって

お気に入りのシーンを何度も見たり、まだまだこのドラマから離れられそうもありません。

見る度解釈が違ったり、新しい感じ方になったり・・・
現在感じたままの感想です。
ドラマは作家雫石奈美の語りで始まります。
主人公立木信夫は出版社「文構社」で文芸誌の副編集長をしています。
妻の彩は同じ出版社の女性ファッション誌の読者モデルで人気のあった美人で今は介護施設でヘルパーをしています。
二人は都心から離れた郊外に一戸建ての家に住み、彩は雨の日は駅まで傘を持って信夫を迎えに行くと言う仲の良い夫婦です。
信夫は彩に言わせると「笑顔のお面を張り付けたような」穏やかな人柄に描かれています。
過去にあった出来事がそうさせた、と紹介されていましたがドラマの中ではっきりと書かれていないので、色々想像するしかないのですが。
彼はかつて作家を志していたのですがある賞に応募した作品が有名作家の小野田士郎に酷評されて作家志望を諦めそれでも文学に関わっていたくて編集者になっています。
この二人の愛の話がメインで、それにやり手の編集長倉田の自殺した妻と小野田士郎との愛憎の話がサブストーリーとして絡み合いながら進行します。

彩には夫に隠した性嗜好障害と言う病気があり、晴れた日には赤い百足が血管を這うような衝動を抑えきれず出会い系サイトで相手を探し関係を持ってしまいます。
それが信夫の同僚望月を相手にした事から二人の苦悩が始まります。
信夫は彩の病気を知っても、信じられない程の自己抑制で彩を理解しようとします。
ドラマは凝った作りで、信夫の内面を彼の作り出した「河野流星」と言う流行作家に語らせているのですが、この河野が信夫の妄想だった事に最後まで気付かなかった為凄く回り道をしてしまいました。
少年の信夫が爪を切っている女に近づき微笑むシーンがあります。
彼女は海女でしたが病気になって潜れなくなり、体を売って生活しています。
そして頭が割られた状態で発見され、事故死と判断されています。
「河野」がそれが立木ちゃんのママ、と言うセリフから彼が海女の子なんでしょうね。
河野は信夫の作品から虐待されて育った、と指摘したりしています。
信夫は彩が海女にそっくりで一目ぼれして結婚したのでした。
信夫の過去がそれしか語られていないので、色々想像したり、いまだに何が正解かわからないのですが。
私の妄想ですが信夫は父親に引き取られそこで「虐待」された経験があるのでは・・・
悩んだ信夫は彩のカウンセラーで倉田の恋人で倉田のアルコール依存所に悩む志保とお互い共依存から抜け出す為に関係を持ったりします。


信夫と彩の関係は彩の妊娠で大きく変化します。
彩は浮気相手と会っている時に妊娠した事に気づき正気に返り、拒否したために殴られて怪我をし、信夫が暴力を振るったと誤解されたりするのですが、周囲の心配をよそに信夫は彩の「信ちゃんの子」だと言う言葉を信じます。
そう決めたなら決して疑ってはいけないと言う倉田の言葉に誓いますと答える信夫。
妊娠と共に赤い百足は消えたようでした。
彩は女の子を出産、奈美と名付けられます。
語り手の作家雫石奈美は二人の子だった事が明らかになり、この物語は奈美の書いた両親の話だった事が明かされます。

しかし出産した彩は病気を再発。出会い系で相手と会う約束をした事を信夫の知られてしまい、跡を付けた彼はホテルから出て来た所を目撃してしまいます。
信夫は絶望し彩に離婚を切り出します。
彩は奈美を志保のクリニックに置き去りにして姿を消してしまいます。
愛する信夫の心の壊れた事を知り、それを望んでいた自分の心を志保に打ち明けて。
嫌われたくない、しかし嫌われたい、もういらないと言って欲しいと言う葛藤が赤い百足を生み出していた。だからもう百足は息の音を止めた、と言う解釈は私には一寸理解しにくい所でしたが・・・

彩は信夫の同僚令子に匿われています。令子は同性しか愛せない、そして彩を愛しています。
そして信夫の所へはやはり同僚の堺が奈美の面倒を見にやって来ます。
堺も同性しか愛せない上にリストカットの跡があったり、このドラマの登場人物は癖がありすぎ・・・
堺は信夫と奈美の動画を撮って帰り彩に見せています。
信夫は奈美が指切りが上手に出来ない事、それが幼い頃の自分と同じだった事を知り、そして彩が奈美にパパはひとりぼっちだからずっと一緒にいるようにと言った事を聞き、彩の思いに涙します。
作家は他の選択肢の無い人間にしか成れないとの小野田の言葉がきっかけで信夫はすべてを捨てて彩との愛を選択します。
奈美と共に離島で暮らす信夫の許にやがて彩がやって来ます。
奈美は作家となり彩との生活を書いた信夫の日記を許にこのドラマを書いた、と言うのが結末です。

野島さんの脚本は幅が広く解釈に悩んだような玉山さんのinterviewがありましたが、見る方もかなり悩む所が多かったです。
やはり玉山さんの言われたようにフランス映画のように見るものの解釈に任せるような作品だったのかと思います。


サイドストーリーと書いた倉田と志保の関係や、堺、令子なども興味深い設定で想像も膨らみますが、ここ迄で草臥れてしまいました。
まだ何度も見ていたい作品なので又改めて書くかもしれません。
重いテーマですが、玉山さん、佐々木さん、そして木村多江さんの美しさ、そして何より信夫を見事に演じきった玉山さんの魅力に堪能した作品でした。
劉一華の時と同じセリフを言わせて下さい。
立木信夫に惚れたか玉山鉄二に惚れたかって!

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