最近ここでも触れましたが、私は紙の媒体の読書が好きです。紙の手触り、新刊のインクの匂い・・・幼い頃から親しんだ懐かしささえあります。
興味があればジャンルを問わず何でも読みます。
中でもファンタジーとノンフィクションがお気に入りです。ファンタジーが好きなのは精神的に成長しきっていないせいかも知れない、とは思いますけれど。
最近読んだblogでこんな言葉に出会いました。「本は読みながら頭で自分だけの映像を作り見られるから好きです」共感しましたねえ、私がTVドラマで原作ものに失望するのは、読んだ時点で自分なりの世界を見てしまうからなのかも知れません。
その点ノンフィクションは自分で作り上げる事は出来ませんし優れた作家のノンフィクションを読むのは本当に幸せです。
最近感想を上げようと思いながら果たせていないノンフィクションに門田隆将さんの「慟哭の海峡」があります。
大戦中台湾とフィリピンの間の海峡「バシー海峡」多くの艦船が米軍の潜水艦の攻撃に犠牲となり輸送船の墓場と呼ばれました。
当時台湾は日本の統治下にあったので日本の最南端の地点だったのですね。
ここで犠牲となられたやなせたかしさんの弟さんと2週間の漂流の末奇跡的に生還、慰霊に生涯をかけられた中嶋さんのお二人のを軸に話が進みます。
やなせさんの「アンパンマン」は戦死された弟さんにかける思いから生まれたなど、胸を打つ話しばかりです。
そしてもう一つ
「命のビザを繋いだ男」副題小辻節三とユダヤ難民
これも先の戦争中の話です。
日本通過ビザを発給して多くのユダヤ難民を救ったリトアニア領事杉原千畝さんは有名ですが、そのビザは有効期間が10日。その間に安全な場所に辿りつかなければいけません。
どうやって安全な所へ行かれたのか、私はそこまでの疑問を持った事がありませんでした。
そこに疑問を持った方がいました。
実はこの本の作者」は俳優の山田純大さんです。
父上は杉良太郎さんでご存じの方も多いかと思います。
山田さんは中学からハワイで、大学はアメリカで学ばれ英語が堪能でいらっしゃいます。
日本では知られていなかったまさにその手助けをした方「小辻節三」さんの自伝をアメリカで発見。
日本語に訳し出版社に持ちこんだ所小辻さんに関するドキュメントを書く事を勧められ、それから小辻さんの足跡を求めてアメリカ、イスラエルなど海外を含めて5年かけて調査、執筆されたのがこの本です。
平明なわかり易い文体、丹念に小辻さんの生涯を追われた素晴らしい作品だと思います。
数年前図書館で見かけ借りたた本ですが、手元に置きたくてすぐ購入しました^^
(発行 NHK出版)
ご興味がありましたら一度お読みになって下さいませ。
山田さんは海老蔵さんの親しいご友人のようで、昨年のご不幸の時はお二人のお子さんに寄り添う姿をが海老蔵さんのブログで拝見、その優しさにすっかり惹かれています。
最初の「本を読みながら云々」の言葉は純大さんんのブログから拝借したものです。
最近のコメント